花、草、野菜

隙間に出でてたんぽぽは

色淡く花開きをり地下街の明りに茄子(なす)の苗は売られて

 

遮断機の上るを待てば踏切の隙間に出でてたんぽぽは咲く

 

一句目、野菜の苗のようなものが太陽の光及ばぬ地下街で売られていたことが印象的だったようです。茄子の苗が地下街で売られててねぇ、と母が私に言ったのをよく覚えています。でも、どこでの話だったのか・・・新潟駅だったような気もします。

二句目は、東京で一人暮らしをしていた私の所に母が訪ねて来た時だったように思います。私は当時、小田急線沿線に住んでいたのですが、その最寄駅の踏切だったのでしょう。一旦遮断機が下りると、上り下りの電車が続くのでなかなか開かない踏切なのに、それでもたんぽぽが咲いているのを見て母が、こんな、場所も無い所にねぇ、と言ったのを覚えています。

母が44歳、私が22歳の時のことでした。

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春先

みどり濃き葱(ねぎ)は萌えそむ残雪の影及びきて冷たき土に

 

道端の雪汚れつつ退けるかたへに早も草青みそむ

 

残り雪五センチ程を突き抜けて

            チューリップの芽は並び出で来ぬ

 

春暖の幾日かの後降る雪に伸びし水仙半ば埋まりぬ

 

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春の花、杜

消え残る雪のうつろに萌えいでて

               福寿草はやも蕾(つぼみ)をかかぐ

 

雪囲ひ解けば広がる連翹(れんぎょう)にふくらみそめし蕾ひしめく

 

三月も終るに続く雪の日を窓辺に置きしクロッカス咲く

 

御社(みやしろ)に間近く住みて明け暮れに

                   杜(もり)仰ぎ見れば心安らふ

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