舅亡き後
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わびしさの極まりにけり舅姑の襁褓(むつき)縫ひつつ雨にこもれば
病もて口きけぬ舅(ちち)に何ごとか問ひかくる姑の低き声する
病む舅の皺伸ばしつつ白き髭剃りゐてふいに涙こぼれき
指先にガラスの曇りぬぐひつつ臥す舅姑に初雪を告ぐ
死期迫る老がしきりに空に出す意識なき手を握りてやりぬ
常臥しの姑(はは)に心を残しつつ舅逝きたまふ春待たずして
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病む姑を看りつつ思ふ職も技も持たざるわれの老ひし日のこと
わが姑の癒ゆる日あらば奇跡とぞ
にべもなく医師はわれに告げたり
家隅に癒ゆる当てなく臥す姑はわれの脳裡を消ゆることなし
座りゐる様いぶかりて吾がかけし手に意識なき舅は倒れ来
もの問へばうなづくのみの病む舅に真白き髭はいたく伸びたり
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