義兄

亡き兄に習ひしやうに

畑のこと田のことわれに教へ呉れし兄思ひ出づ

 

働きて働きてうから育てくれし兄なり

 

働きてややに屈みし兄の背を今に忘れず

 

ここに歌われている「兄」は、母の義兄のことです。母が義兄を詠んだ歌は数少ないのですが、それでも母がどれ程義兄のことをありがたく思っていたかがよくわかる気がします。この歌は、母がいつも短歌を書きとめていたノートの端に書かれていたものでした。

 

亡き兄に習ひしやうに畑のもの植ゑてこの春も作付終る

 

これは母が57歳の時の作品です。「義兄」が亡くなって随分と時が経っても、いつも義兄を思い出しながら田畑の作業をしていたのだと思います。

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義兄を想ふ

( 今日はいつもと違う感じでお送りします。 ) 

 

歌集「花咲く道」の中には、母の遺した原稿やノートの中から、短歌だけでなく、エッセイ、詩、俳句なども含め、できるだけ多くの作品を収めるようにしました。今日は、その中から詩のひとつをご紹介します。

母は、6人姉妹の4番目でした。一番上の姉と一番下の妹の年齢差は19歳、と叔母から聞いたことがあります。ここで歌われている義兄とは、母の一番上の姉の夫のことです。母の実家に婿に入ったことで、五人の小姑の兄となったわけです。

 

 

     義兄を想ふ

 

仕事の始まりは雪野の肥え引き

 

黒き牛を養い堆肥作り

 

冬は毎晩紙漉(す)きて

 

細かきこと云ふ舅に尽くし

 

おんな小姑五人もありて

 

つらきこと口には出さず

 

ありがたきかな正兄様

 

 

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